英語の勉強をするきっかけとして、洋画が好きだったり海外ドラマが好きだからという人も多いのではないでしょうか。
私もそのうちの一人です。中学生時代に見たフォレストガンプに感動し、それから映画三昧の日々を送りました。映画本数でいうと500本前後は見ているのではないでしょうか。新卒の就活でも映画配給会社を受けたほどなので結構な熱の持ちようでした。
最近ではHuluやNetfilix、AmazonVideo等で手軽に映画も海外ドラマも見れるようになりました。
24twenty fourやプリズンブレイク、ブレイキングバッドといった、ちょっとアウトロー的なものが好きです。
海外ドラマ見てればTOEICのリスニングなんて楽勝でしょ。そんな風に思ってた時代もありました。本当に効果はあるのでしょうか?
目次
TOEICに海外ドラマは有効?
結論から申し上げますと、効率性の観点から見てもあまり有効とは言えないでしょう。
初心者向けのドラマとして代表的なものが「フレンズ」ですね。ファミリー向けであり、コメディチックなものなので飽きずに素直に楽しめます。
私も全シリーズを見たほどのファンです。
しかし「フレンズ」を見ることによって英語力アップは望めなかったのが実態です。
効果がなかった理由
ドラマに限らず洋画も含めると何千時間という大量の時間を費やしました。しかしTOEICの勉強を本格的に始めた時にすぐに感じましたが、英語力アップに効果があったとは言えません。
理由は大きく分けて4つあると思います。
- 日本語字幕に集中してしまい英語を心から理解しようとしていない
- リスニングスピードが速すぎる=ノイズと同じ
- TOEICの語彙レベルと違う
- TOEICのシーンと違う
まず1つ目。ドラマを見る際は日本語字幕にして見ています。もちろん音声は英語なので俳優さんがしゃべる英語は耳は入ってきます。しかし意味はどのように理解するかというと、画面に表示されている日本語字幕になります。
英語の音声自体耳には入ってきますが、意味を理解するのは日本語字幕でとなるので日本人の私としては字幕のほう優先で理解するように脳をフル活用してしまっています。そのため、英語はただの「自然音」として処理されるようになってしまったのです。これでは英語を聞き取れるわけがありません。
2つ目はリスニングスピードが速すぎる点です。TOEICのリスニングスピードは、およそ1分間に150語のレベルとなります。これはネイティブ会話の半分ともいわれる超スロースピードです。ドラマの英語は容赦なく機関銃のように飛んできますので息つく間もありません。
また、スピードが速いうえに、発音の省略や、幼児言葉、スラング、時事ネタといったように聴き取れなくさせてしまうあらゆる要素を含んでいるために余計に速く感じてしまうという心理的な作用もあるでしょう。
3つ目は語彙レベルの差です。2つ目にも記載しましたが、教科書通りのきれいな英語だけが登場するわけではありません。特にドラマとなると、日常会話がメインになりますので、ネイティブが生まれた時から日常的に使う言葉というものを知っていなければ理解することはできません。当然これらの語彙はTOEICでは登場してきませんので海外ドラマだけを見ていてもTOEICで通用することはないのです。
最後の4つ目です。TOEICはビジネスシーンと日常シーンのみで構成されている試験です。ゴシップやスラング、幼児語、といったものは一切出てきません。ドラマではガンガン扱われるシーンですね。
そもそもTOEICと海外ドラマでは土俵が違うので対応しようにも限界があります。
効果を発揮させるための勉強法
効果がないことばかりを記載してしまいましたが、全くの効果がないと言っているわけではありません。
単に娯楽として海外ドラマを見ているだけではスコアアップは望めないということです。
では効果を出すためにはどのように取り組めばいいかを説明します。
ポイントは3点あります。
- 1話を徹底的に見返す
- 英語字幕の設定にする
- スキット(セリフ)を用意する
1つ目は海外ドラマは続きものですので、1話見たら次の話が気になってしまってしまうかもしれません。もちろんまずは全シリーズ見てしまっても構いません。
でも、実際に勉強する際にはお気に入りの1話だけをチョイスしてそのストーリだけを何度も繰り返し繰り返し見ることです。1話1時間だとしても、相当の情報量になりますのでまずはこの1時間の話を完璧になるまで何度も繰り返しましょう。
2つ目は英語の字幕設定にすることです。市販のDVDやNetfirixなどでは標準で英語字幕の設定ができるものが多いと思います。
英語の字幕設定にすることで音声を聞きながらどんな内容をしゃべっているのかということを文字で理解することができます。
基礎的な英文法や単語をマスターしておくのが前提条件ですが、文字で読んで6~7割
理解できるのが理想です。
最後はスキットを用意することです。インターネットで検索をすれば無料でダウンロードできるものもあります。
親切なサイトでは単語の意味や補足説明なども付けてくれているものもありますので利用しない手はないですね。
紙にプリントアウト、もしくはPDFにしたものをタブレット端末でペン入れをしていく等して自分の理解できなかった部分に赤マークを入れていきましょう。
1話見終えたら終わりではなくて、一度見たものをもう一度見直して自分のペン入れをしたものと対応させていく、また、ドラマの演者になりきって音読をしてみるといったように活用方法は様々です。
TOEICで何点あれば海外ドラマがスラスラ理解できる?
twitterやFacebookでTOEICのエキスパートの情報を確認してみたところ、TOEICで満点を取った人でも海外ドラマを字幕なしで完璧に理解できる人はほぼいないようです。
TOEICは高スコアになればなるほど英語の世界の幅広さに驚愕すると言われています。
私もTOEIC950点を保持していますが、海外ドラマの理解度は2割~3割あればいいほうとしか言いようがありません。
990点の友人でさえも8割理解できればいいほうと言っていました。
完璧に聞き取るのであれば、TOEIC2000点以上の実力が必要なのかもしれませんね。
この理由は先のも述べた通り、扱われているジャンルが違うからというのが大きいでしょう。
推理もののドラマを理解しようとするのであれば、犯罪・警察といったジャンルの英単語・表現をマスターする必要があります。
これは日本語でも同じで、下調べなしにそのジャンルの内容は理解することができないのと一緒です。
まとめ
最近では手軽に海外ドラマを見ることができる環境があり、いつかは自分も英語のまま理解したいと思う人も多いでしょう。
しかしこの手軽さに惑わされてしまい、純粋に見るだけで英語ができるのではないかと錯覚してしまうもの残念な事実です。
語学学習に近道や「楽さ」といったものはあり得ません。
地道にコツコツと長い時間をかけて徐々に上達していくものです。
しかし、その地道さゆえに勉強が苦痛になってしまっては本末転倒です。
そうならないためにも「海外ドラマ」という魅力的なメディアを使って英語の学習をすることは非常にメリットがあることとも言えます。
使い方次第では語学学習にこれ以上ない効果を与えてくれるというのも事実です。
是非、使い方を間違えずに英語学習のペースメーカーとなるように自分の学習プランに取り入れてみることをおすすめします。