英語学習において重要な要素として挙げられるのは「単語」「発音」「文法」の3本柱です。この3つを軸にして、その後の読解や会話、ライティングへとつながっていきます。
もちろん3つの柱をバランスよく学習することが大事ですが、その中でも一番重要な要素はいったいなんでしょうか?
少し前の記事になりますが、TOEIC界の重鎮こと神崎正哉先生のインタビュー記事に、TOEICに関する内容が書いてありました。
その中で神崎先生はこのように述べています。
TOEICは語彙力が決め手です。語彙力があれば何とかなるし、語彙力がないとかなり苦しい。
語彙力がないと、リスニングもリーディングも点を取れないんですよね。リーディング・セクションのパート5とパート6では、「語彙を知っているかどうか」がポイントになっている問題が出題されます。それ以外のところでも語彙力は重要です。例えばリスニング・セクションでは、音を聴き取れたとしても、単語の意味を知らなければ何を言っているのか理解できない。理解できなかったら聴こえないのと同じですよね。リーディング・セクションの文法問題でも、文章を読んでその意味がとれないと問題が解けない。もちろん長文読解は、語彙力がないと何が書いてあるのか理解できません。(引用:IBCウェブサポート 神崎正哉氏インタビュー)
本当にこれに尽きます。
「英単語帳じゃなくて文脈で覚えろ」、「分からない単語は文脈で推測しろ」
この言い回し、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
大学受験の時に嫌というほど言われた記憶があります。
試験で出される単語なんていうのはほぼほぼパターン、レベルが決まっているのだからそれ用にまとめられた単語帳を使うことが一番の近道だと心の中では思っていましたがなぜか文脈から推測するという手法で勉強してしまいました。結果、失敗。
今思い返してみればなんて非効率なことをしていたんだろうと悔やまれます。
語学学習の根幹は、まず第一に「語彙」が必要ですね。
古来から、伝えたい思いは言葉という言霊を通じて、口頭伝承→活版印刷という時代の流れを経て現在まで知識を受け継いできました。
会話をするにも本を読むにも、「単語」というものがまず基礎にあり、それらを文法のルールに従って並び替える、それが人間のコミュニケーションの形です。
特にTOEICというビジネスや日常会話といった限定的なテーマしか出ない試験であれば、なおさら出題される語彙には限りが出てきます。
例えば、戦争や病気、暴力、性的な描写といったマイナスなイメージを持たせるようなテーマや言葉というものは出てきません。
語彙数としては満点を取得するにしても、10,000語程度のレベルがあれば達成できてしまいます。TOEIC730点であれば6,000語程度のレベルがあればおよそ達成することができます。
高校時代それなりに英語を勉強してきたという人であれば、大学入学時には4000語前後の語彙数はあるはずです。
プラス2000語程度をマスターしてしまえば、TOEIC730点を余裕で突破できてしまいます。
市販されているTOEIC対策単語集では、大体見出し語で1000語程度、派生語含めると3000語程度になるので、それだけで7,000語レベルまでは到達することができます。
あとは、TOEICの参考書や問題集を解きながら分からない単語を書き留めていけばTOEIC対策は万全です。
ちなみにもしTOEICスコア730点を取るために1冊だけしか本を選べないとすれば、私は間違いなく「単語帳」を選びますね。
しばらく社内でTOEIC講師をやっていますが、金フレの単語帳の確認テストを毎回やって統計をとっていますが、やはり単語の覚えがいい人ほどスコアの伸びが抜群に速いです。
というか、職種柄、生徒の皆さんは日々の業務で残業・徹夜、はたまた土日も仕事している中で、およそ単語帳以外の勉強する余裕がないのでは?と思える人ばかりなのですが、単語さえ分かってしまえばあとは今までの経験力でなんとかなると思っているではないかと思ってしまうほどです。
ホリエモンこと堀江貴文さんも東大受験する際に、英語の試験対策は単語帳の丸暗記しかしていないといっていましたね。
東大に受かるほどぼ頭の持ち主ということもありますが、あながち間違っていないことは理解できるかと思います。
忙しくて勉強する暇もないけどTOEICの試験は受けなければいけない人は、単語帳1冊に絞って対策をしてみるのも一つの手かと思います。
単語を覚える際のポイントのおさらいです。
- 1日10単語とかではなく1日100単語を何週も繰り返す
- 音声は必須
- 声に出して読む
- 紙に書くことは不要
これを心がければ必ず自分の力になるでしょう。