今回の記事は音読についてです。
音読とは、文字通り声に出して文章を読むということです。
言語を習得する際にもっとも有効な手段は「声に出して読む」ということです。
もちろんTOEIC学習においても例外ではありません。
TOEICのリスニングセクションの突破のカギを握るのは、いわずもがなPart3とPart4の音読です。
音読についても、
シャドウイング、リンキング、リピーティング etc・・・、手法をあげたらキリがありませんが、まずはいろいろ種類があるということだけ頭に入れておいてください。ここでは詳しくは紹介しません。
音読がなぜいいの?
音読の有効性については、同時通訳の神様といわれた國弘正雄が実証しています。
中学レベルの簡単な英文を、毎日音読することで英語の回路ができあがり、英語の総合力があがるというものです。
音読ブームを批判する声もありますが、言語習得には実際に自分の口から言葉を発するということが絶対的に欠かすことはできません。
音読が批判される理由
昨今の音読ブームの中で、音読を批判する声も多々あります。
これは単純に音読がダメだといっているわけではなく、以下2点を意識していないで
音読することは無意味(むしろ害悪)といってることに集約されます。
- 間違えた発音で音読している
- 文章で読んでも理解できないのにただ流れにまかせて音読している
もっともな指摘であると思います。
まず1点目の「間違えた発音で音読している」
こちらについては、まずは英語の発音の基礎を簡単でもいいので学びましょう。
ネット上で「英語、発音」と検索すれば、様々なサイトがでてきます。
私の中で以下のサイトが端的にまとめられていておすすめです。
もしくは以前紹介した、発音とアクセントの記事も参考にしてみてください。
syoshinsyatoeic730oudou.hatenablog.com
2点目の「文章で読んでも理解できないのにただ流れにまかせて音読している
」
についてですが、こちらは記載の通りで、読んでも理解できない文章を音読しても全くの無意味です。まずは、英文を文章で黙読して意味の理解、構造の理解ができてから音読するようにしましょう。
音読とTOEICの関係性
もちろん、Part3やPart4の英文を何度も読んで理解することもスコアアップには良い方法ですが、まだそのレベルまで達していない人は、まず簡単な英文から挑戦して徐々に英文レベルをあげていくことをおすすめします。
TOEICのリーディングをすべて読み終えるには、一般的に1分間で150語程度の
速さで読み解いていく必要があります。
TOEIC500点に満たない場合は、1分間に70語~100語未満の速度でしか読めないと思いますので、まずは中学レベルの英文から音読をはじめ、徐々にスピードアップしていくようプランニングしましょう。
音読におすすめの参考書(ぜったい音読シリーズ)
TOEIC600点前後をすでに突破している人は、公式問題集のPart3,4をひたすらCDに合わせて音読することで効果がでてくるでしょう。
それ未満の方や、600を超えていても、音読をしたことがない人は是非以下の参考書からチャレンジしてみてください。
どれも中学レベルの英語なので取り組みやすいでしょう。
中学レベルといっても侮ってはいけません。
そもそも、中学レベルの教科書のレベルは非常に高く、ビジネスでの英会話も中学英会話をマスターすればほぼ事足ります。
どの本についても、テキストの半分近くのページを、音読の手法と効果について丁寧に
述べられています。
簡単にどんなことが記載されているかというと
- 音読は簡単な英文を何度も読みこなすことで力がつく
- 毎日の継続を怠らないこと
- 記録を残すこと
シンプルな内容ですが、語学は本当に継続が大事です。1日でもさぼってしまうとそれだけでも英語力がダウンしてしまいます。
著者の國弘先生も、同時通訳の仕事の前には、簡単な英文を何度も音読して頭の回路を英語モードにされたそうです。

- 作者: 國弘正雄,千田潤一,久保野雅史
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音読におすすめの参考書(毎日の英速読)
つぎに紹介するのは、毎日の英速読というテキストです。
早稲田大学で教鞭をとるジェームスバーダマン先生とTOEICの超有名講師である神崎正哉先生の著作です。
こちらは、1分間に150語~200語の速読を目指すテキストとなります。
内容的にも「フランスの農民が冬眠する理由」など、内容的にも非常に興味深いもので楽しみながら音読学習をすすめることができます。
また、テキストもすべての英文について、通常の英文とスラッシュありの和訳つき英文の2パターン掲載されており、音声も通常速度版とスラッシュありの遅め版の2パターン収録されているので、音読初体験の方は後者のスラッシュ訳つきのバージョンからはじめることをおすすめします。
毎日30分程度で1レッスンを終えることができるので、無理なく進めることができます。
まとめ
今回は音読について記事を書かせていただきました。
(諸説ありますが)言語が誕生したのは5万年前と考えられています。
もちろん最初から文字があったわけではなく、口から発する言葉でコミュニケーションをとっていたわけです。
そこから象形文字という「形」として「ことば」を残し、様々な変遷を経ていまに至ります。
そうなんですね、みなさんも生まれたときはいきなり文字を読み書きしたわけではなく、ことばを発して意思疎通をはかっていったのです。
すでに第一言語として日本語を習得している我々は、言語中枢の基礎は「日本語」で行っていますのでここから他言語に変換していくことにはコツがいります。
脳に「英語」ということばを覚えさせ、他言語化に対応した脳を作る必要があります。
そのためにも、「毎日英語に触れる」ということがとても大切です。
音声に出して読むということは
- 目で文章を理解し
- 口で言葉を発し
- 耳でその言葉を聞く
という、五感のうち三つも使う習得法なのです。
※ぜったい音読には、さらに「ディクテーションという英語をひたすら書き写す」という書く行為も含まれているので五感のうち4つも使っていますね。
私も、TOEIC800点の壁を乗り越えられず悩んでいたときに、速読法を模索し、ぜったい音読にたどりつきました。
800点付近のレベルでも、入門編の中1レベルの音読さえ呂律がまわらず苦労したものです。ただ、毎日毎日根気よく音読を続けていった結果、目標の150語を超え、200語近くまで伸ばすことができました。
本当に「継続は力なり」を実感した瞬間でした。
TOEIC教材だけだと無味乾燥で飽きがくることもあると思いますので、簡単な英文の音読というものもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。